日本年金
日本の年金受給に関して
日本の年金加入期間の短いアメリカ在住者が日本の老齢年金を請求する方法は次の2つあります。
- 合算対象期間による方法
- 平成17(2005)年10月発効した日米社会保障協定による日米年金加入期間を通算する方法
尚、日本の年金についての情報は、☞こちらのホームページを参照下さい。
日本の年金(老齢年金)の受給資格
- 老齢基礎年金
原則として、25年以上の加入期間が必要です。
特例等については、☞こちらを参照下さい。 - 老齢厚生年金
- 65歳未満
①60歳以上である。
②厚生年金の被保険者期間が1年以上ある。
③老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている。 - 65歳以上
①65歳に達している。
②厚生年金の被保険者期間が1ヶ月以上ある。
③老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている。
詳細は、☞こちらを参照下さい。
- 65歳未満
合算対象期間による場合(従前からの方法)
合算対象期間とは「カラ期間」とも呼ばれ、アメリカに居住していることによって、国民年金に加入できなかった期間のことをいいます。
国民年金は、日本国内居住者で、20歳以上60歳未満の方が強制加入ですが、アメリカ居住者は加入義務(任意加入)がありません。
日本の年金の受給資格期間は25年(国民年金、厚生年金、共済年金の合計)以上の加入期間が必要ですが、米国に居住する方にはこの加入義務のない渡米以降60歳までの期間を受給資格期間に合算(合算対象期間)できます。
但し、この期間は受給資格期間として計算されますが、年金額の計算には反映されません。
- 年金加入期間:日本の年金に未加入で、アメリカ在住の60歳までの期間
- 年金額:日本の年金に加入した期間
- 配偶者加給年金額:原則、厚生年金20年以上の加入(期間短縮特例有り)
- 時効:5年。受給資格があれば、5年前まで遡及請求できます。
- 手続:日本の年金事務所
日米の年金加入期間通算する場合
日米社会保障協定の発効前は、25年以上の受給資格期間がないと日本の年金は受給できませんでしたが、協定発効後は、両国の年金制度への二重加入を防止し、両国での年金加入期間を通算して年金受給資格期間を満たすことができるようになりました。
同時に、一定の条件を満たせば、配偶者加給年金、障害年金、遺族年金も受けることができる可能性があります。
※合算対象期間の場合、60歳までのアメリカ在住期間を加算。
※日米社会保障協定の場合は、アメリカの年金に加入した期間を通算。
- 年金加入期間:日本の年金に未加入で、アメリカの社会保障年金に加入した期間(60歳の年齢制限はない)
- 年金額:日本の年金に加入した期間
- 配偶者加給年金額:厚生年金加入期間が20年未満でも、加入期間に比例して加算されます。(期間短縮特例有り)
- 時効:5年。但し、協定発効の平成17(2005)年以前に遡及することができません。
- 手続:日本・アメリカの年金事務所
裁定請求(受給手続)
- 裁定請求の窓口
日本の年金事務所。
尚、日米社会保障協定による場合は、米国の社会保障事務所でもできますが、加入記録の調査・確認が必要な場合は、日本の年金事務所の方が良いと思いわれます。 - 裁定請求に先立ち、被保険者記録照会を行い、受給資格の有無の確認を受け、回答票を入手することがその後の裁定請求のために必要です(代理人でもこの記録照会は可能です)。
その為に、次のことを事前に準備、整理しておくことをお薦め致します。- 年金手帳・厚生年金保険被保険者証の確認
- 勤務記録(厚生年金の場合)・住所(国民年金の場合)の整理
(年金記録の調査・確認のため必要です。)
「私の履歴表」という便利なツールが☞こちらに紹介されていますので、ダウンロードの上、活用されることをお薦め致します。
- 主な必要書類
- 老齢給付裁定請求書
- 年金手帳・厚生年金被保険者証
- 戸籍謄本・抄本
- 在留証明書(在米日本領事館発行)
- 居住者証明書(IRS発行Form6166)
申請はForm8802(申請書のダウンロード)に手数料($35)を添えて下記のIRS事務所へ行う。Form8802の説明はこちらで。
Internal Revenue Service
P.O. Box 71052
Philadelphia, PA 19176-6052 - 租税条約に関する書類(様式9)
- 特典条項に関する付票(米)-様式17
- 年金の支払いを受ける者に関する届出(住所、米国または日本の振込銀行口座)
- 合衆国年金等の期間等の申立書(日米の加入期間通算の場合)
- 合算対象期間を証明する書類(戸籍の附票、パスポートの出入国記録、法務省の出入国記録など)
- 所得証明書(本人・配偶者)
- 裁定請求の時期
- 60歳:厚生年金(共済年金)に1年以上加入していた方
(男性:昭和28年4月2日、女性:昭和33年4月2日以後生まれの方は段階的に裁定請求年齢が引き上がります) - 65歳:国民年金だけの方、厚生年金(共済年金)の加入期間が1年未満の方
- 60歳:厚生年金(共済年金)に1年以上加入していた方
遺族年金・障害年金
アメリカの年金加入期間を通算することで、日本の遺族年金・障害年金を受給できるようになる場合もあります。
- 被保険者期間のうち保険料納付済期間と保険料免除期間(保険料が未納でない期間)とを合算した期間が3分の2以上必要という条件(納付要件)を満たしているかを判断するときに、アメリカの年金加入期間を通算できます。
- 初診日又は死亡日に日本の年金制度に加入していなければならないという条件(加入中要件)を満たしているかを判断するときに、アメリカの年金加入期間を日本の年金制度に加入していたものとみなして判断します。
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【参考】企業年金連合会の老齢年金の請求(海外送金)をする場合
企業年金連合会の老齢年金を請求する際に、海外在住者は以下の書類の添付が必要です。
- 請求者本人の生年月日・生存の確認がとれるもの
- 日本国籍の方の場合
- 日本国の戸籍抄本、或いは
- 在留証明書(居住する地域を管轄する日本国領事館発行)
- 日本国籍以外の方の場合
- 居住国の国籍の方は、居住する国の公的機関の発行した生年月日・生存を証明する書類
- 居住する国以外の国籍の方は、居住する地域を管轄する国籍国の領事館の発行した在留証明
- ※領事館に行くことが困難な場合は、その地域の公的機関(公証役場・警察等)の発行した生存を証明する書類を添付する。
- ※上記書類には、交付日と公的機関の証明印が必要であり、発行より6か月以内のものとされています
- 日本国籍の方の場合
- 年金の支払を受ける者に関する事項(企業年金連合会で取得可能)及び銀行名、口座番号等の確認ができるものを添付。
※支払はUS$建てで、送金日の為替レートを使用となる。 - 以下のうちいずれか一つ
- 年金手帳の基礎年金番号記載ページのコピー
- 加入されていた基金の加入員証のコピー
- 年金受給者は年金証書のコピー
- 連合会が発行した承継通知のコピー、
- 勤務していた会社名と加入期間がわかるもの